冬に聞こえる水の音は給湯器の凍結防止機能かも
冬の寒い夜、家中の水道を使っていないのに、家の外やベランダの方から「ウィーン」や「サー」といった音が聞こえてくることがあります。水漏れかと不安になりますが、もし水道メーターのパイロットが回っていないのであれば、その音の正体は「給湯器の凍動防止機能」である可能性が高いです。これは故障ではなく、給湯器が自らを守るための正常な作動です。近年のガス給湯器やエコキュートには、外の気温が一定以下(一般的に3℃前後)になると、配管内の水が凍結して膨張し、機器を破損させてしまうのを防ぐための機能が搭載されています。その仕組みは主に二つあります。一つは、給湯器内部に内蔵されたヒーターを作動させて、配管を温める方法です。この時、ヒーターに通電する「カチッ」という音や、「ブーン」という作動音がすることがあります。もう一つは、ポンプを自動的に作動させて、配管内に水を強制的に循環させることで、水が凍るのを防ぐ方法です。このポンプが作動する時に「ウィーン」というモーター音や、水が流れる「サー」「チョロチョロ」といった音が発生します。これらの音は、特に冷え込みが厳しい夜中から早朝にかけて聞こえることが多く、水漏れの音と間違えやすいのです。見分けるポイントは、まず水道メーターが回っていないこと。そして、音が給湯器本体やその周辺から聞こえること、気温が低い時にだけ発生することです。もし、この凍結防止機能が作動している時に、慌てて給湯器の電源プラグを抜いたり、ガスの元栓を閉めたりすると、防止機能が停止してしまい、本当に配管が凍結・破裂して、深刻な水漏れを引き起こす原因となります。冬場の異音は、まず給湯器の正常な作動を疑ってみる。これも、無用な心配やトラブルを避けるための大切な知識です。